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執筆者の写真浅野 勝成

高校におけるストレングス&コンディショニング

ストレングス&コンディショニング(以下S&C)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

今回はその目的や高校S&Cの意義について綴ります。

【S&Cとは】

スポーツ科学の最先端であるアメリカで誕生、そして世界で発展しているトレーニング科学の専門分野です。

【S&Cの目的】

① 傷害リスクの減少

・スポーツ中に起こる傷害を完全に予防することは難しいですが、日々の適切なトレーニングによって強い身体を作り、傷害の発生率や重症度の減少が期待できます。

・高校生が部活動に取り組める期間はおおよそ2年から3年弱です。長いようで案外短い高校競技において、怪我による長期離脱は大きな痛手となります。チームの主力であれば、怪我による離脱はチーム全体にとてつもなく大きな負の影響を及ぼします。

② 身体能力の向上

・身体能力が向上することで出来るプレーが増えたり、技術の質が高まる可能性があります。

 例)ジャンプ力が向上する→リバウンドやスパイクの精度が増すなど。

・身体能力の向上≠競技力向上

 身体能力が向上しても技術などが伴わないと、競技パフォーマンス向上は達成できません。

 しかしながら、身体能力の向上が競技パフォーマンス向上の土台になります。

【トレーニング内容】

筋力、瞬発力、柔軟性、持久力などの体力要素の複合的な向上を目指します。

① ウエイトトレーニング

・自体重、バーベル、ダンベルなどの負荷を扱ってトレーニングを行います。

・全身の筋肉を鍛えますが、ポステリオールチェーン筋肉群と呼ばれる身体の後側の筋群、特に臀筋群(お尻の筋肉)を重点的に鍛えていきます。

② プライオメトリクス

・主にジャンプを用いた内容で、瞬発力と耐久性(着地衝撃の吸収)を向上します。

・前方方向、鉛直方向、横方向、片脚、両脚、連続ジャンプなど、変化をつけて取り組みます。

③ ストレッチ・筋膜リリース

・身体が硬いことで怪我を起こしやすくなります。また、柔軟性不足によって鍛えたい筋肉群をめがけたフォームで実施できないことがあります。そうなるとトレーニング効果は得られにくいです。

④ その他

・スプリント、アジリティ、持久系などがありますが、現在の明成高校S&Cでは実施していないので割愛します。

【対象者について】

・競技は問いません。高い身体能力や怪我に強い身体は全てのスポーツの基礎となります。

・現在、明成高校での指導対象部活動は以下となります:

 ①女子バスケットボール部

 ②女子サッカー部

 ③男子バレーボール部

 ④陸上競技部短距離・投擲

 ⑤陸上競技部長距離

 ⑥スケルトン同好会

【高校S&Cについて】

上述のように、高校生がスポーツに取り組める時間は2年~3年弱と限られます。その短い期間で“結果”を残し、高校生活を有意義にする者、大学やプロチームから誘いを受けて競技者として熟達していく者と様々です。

そのような高校生アスリートに対して、S&Cが提供できるものは「適切なトレーニングによって得られる傷害リスクの減少と身体能力の向上」が大きな軸になると考えます。

今回は初回ということで、S&Cについて簡単に紹介しました。今後はもう少し深い活動内容などを書いていければなと思います!

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