未来の高校アスレティックトレーナー

October 13, 2018

 

 

今回は川平アスレティックトレーニングルーム(川平ATR)に、現場実習に来ている仙台大学の学生ATについて紹介しようと思います!

今年度9月より、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の現場実習として仙台大学から学生AT2名が川平ATRに勉強をしに来ています。

 

国内ではアスレティックトレーナー(AT)が常駐している高校はごくわずかです。そのごくわずかの一つが、仙台大学の姉妹校である明成高校です。

 

明成高校へ実施する事業、「高校アスレティックトレーニング」。これは仙台大学と明成高校が姉妹校であるが故の大きな強みでもあります。

さらに、JSPO-ATと、全米アスレティックトレーナーズ協会公認AT(NATA-AT)の2名に加えストレングス&コンディショニングスペシャリスト(S&Cトレーナー)の3名が常駐し連携しているという点も大きな魅力かと思います。

 

今回実習に来た学生ATは、普段は大学スポーツのサポートをしていて、“将来は高校のアスレティックトレーナーになりたい”、”大学生と高校生での違いを学びたい“といった理由で、川平ATRへ実習に来ていました。

 

私は、実習指導担当の一員として、学生AT指導にあたっているのですが、学生ATの着眼点に驚きました。

私がAT活動を行う中で、ここ数年でようやく気づいた点について、既に学生も同様の考えに至っていることを気づかされたからです。

 

私が学生の頃は、単純にテーピングの巻き方やストレッチング方法など、テクニックについてより良い方法はないかばかり考えていました。しかし実際にATとして現場で活動をしていると、そういったテクニックよりも以前に、選手が自主的に向上心をもってセルフケアやトレーニングをいかにして取り組むことができるかが重要であると感じています。一人一人しっかりと対応したいというのは、ATであれば誰しもが感じることかと思いますが、対象者が複数、大多数となると、一人にかけられる時間にはどうしても限りがでてしまいます。特に、高校生などの学生スポーツにおいて、「何かしてもらう」ことだけを選手が覚えてしまうと、自主性や自律心は養われません。ここが、特に厄介な点なのです!

 

私が必死で学んできたテクニックを、選手のためにと思って、自己犠牲を惜しまずやり続けていった結果、「他人任せの選手」づくりをサポートしていることになってしまったケースがしばしばあります。そうなってしまうと、肝心なところで十分な力を発揮できず、チーム競技においては、プレー中も他人任せな選手になってしまうことを数多くみてきました。これではいけないと感じ、サポートの考え方を変え、自分の身体を自分で良くする、改善する、予防するという意識づけに重点を置くようになったのがここ数年の話。

 

サポートしている側としては、信頼されているとか、必要と感じてもらえるなどの理由で、「何かしてあげる」サポートばかりしがちで、かつての私はそうでした。ですが、競技スポーツ、戦いの中で、他人任せの選手は勝負では強くなれないことに気づかされてきました。学生の頃の私に今、何か伝えるとしたら、テクニック云々は、思っている以上に使う場面は少ない。むしろそれによって、対象者、特に高校生のような心身共に成熟していない相手によってはサポートというより、むしろ選手の成長(特に心の)を阻害しかねないぞ!と伝えてあげたいです。

 

もちろん、何かしてあげるテクニックというものは、専門家と名乗る以上は必要最低限必要ではあります。大事な大会や選考会を近くに故障してしまい、なんとか間に合わせるためには方法はないか、というケースは多様に見られます。そのような場面では、テクニック(テーピングやリハビリなど)が必要なケースは生じるのですが、そもそもの故障の原因を探ると、「柔軟性が乏しいとわかっていながら日頃のストレッチングをサボっている」、「体幹が弱いとコーチやトレーナーから指摘を受けながら、面倒で地味なのでトレーニングはしていない」、「違和感を感じていたが、気にせずケアも怠って練習していたら悪化してしまった」、「朝食は、早起きが苦手なので食べない」などということが本当に多くあります

目の前の怪我の状態をなんとかしようとすることは大切ですが、それがなぜ起きたのかを分析していくと、防げた可能性が高いケガが多いことに気づいたのです。防ぐ方法として、選手自身で行えることがたくさんあります。それらを実施できる選手こそ、より高いレベルの勝負の世界へ行けると思います。

 

なので、ATとして傷害予防と競技力向上の観点から、私が対象とする「高校生」の場合、自分でできることを自分で行うこと(セルフマネジメント)への教育が非常に需要だと考えています。

 

こんな話を言うと、世のトレーナーやコーチの方からは当たり前だ!と怒られるかもしれませんが、私は本当に気づけずにいた期間が長くありました。考えを改めてからというもの、ATとしての仕事のやりがいや、効率はさらに高まり、ATの魅力も強く感じています。

私の経験はまだまだ未熟ではあるものの、学生ATとは約10歳違う中で、現時点でその考えを持ちながら勉強している姿をみると、今の学生AT達の10年後が楽しみに思えてきます。

一方で、優秀な新米AT達がどんどん世に出てくることは驚異にすら感じます(苦笑)

自己研鑽を怠れば、新しい優秀な人材達によって、自分の職を奪われてしまうことに改めて気づかせてもらいました。

 

どの業界にも、競争は必要です。競争の中から、より良いもの、ニーズに合ったものが選択され、生き残っていきます。まだまだ発展途上である高校AT業界にも、今後は良い競争社会が起これば、更なる発展へと繋がるのではないでしょうか。

 

川平ATRでは、未来を担う学生AT達の教育活動にも力を入れ、直接的に、さらには間接的に「高校アスレティックトレーニング」普及にていきます!

 

 

 

 

 

 

 

 

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