「指導」で重要なポイント

January 9, 2020

 

この写真は、川平AT利用部活動である男女サッカー部、陸上競技部が利用する明仙フィールドの1月9日 pm5:15撮影した風景です。ATRは手前の建物の左側にトレーニングルームと処置室があります。

 

冬は日が暮れるのがとても早く、「暗さ」による練習場所の不備はどうしても避けられないのが、現状のフィールドとなっています。

 

ちなみに、高校授業が3時25分に終わってから、掃除、ホームルーム、校舎からフィールドまでの移動、練習準備などを終えて、練習開始が大体4時前後。冬の寒さのため、夏季よりもウォーミングアップに時間がかかりがちな点も加えると、練習をする時間は非常にわずかとなっていまいます。

 

ボールを使用する競技となると、ボールや相手がはっきりと「見えない」というのはスポーツ傷害リスクの観点から非常に危険です。そのため、暗くなってからは、基本的にはランニングや自重でのトレーニングを各自行っているのですが、なかなかこれも厳しいものがあります。

 

ATルームでは、普段利用しているスポーツ傷害後のアスレティックリハビリテーションの選手達の場所確保のためにも、1チーム全員を受け入れるスペースはありません。

 

暗い外で、春の高校総体に向けて日々鍛錬に励みたい選手たちにとって、練習が十分にできないことのストレスは測りしれないものがあります。

 

私が主に指導する男子サッカー部は、今年度の新人戦で初の県ベスト8に入り、勢いに乗っていこうとしている最中です。私が赴任した5年前は、地区大会で負けてばかりのチームでした。それが、着実にじわじわと力をつけてきております。

 

そんな彼らに、何とか力になれないかと考え、冬季の練習時間不足解消として、教室を利用した「AT(アスレティック)トレーニング」を開始しています。

 

実は、先月より開始しているのですが、外練習後に教室へ移動し、室内にてトレーニングを実施しています。

 

ちなみに2階の教室で、丈夫な構造ではない場所のため、激しい運動はできません。

 

トレーニングというと、バーベルやダンベル等の重りや、ゴムチューブなど道具を利用するものを連想しがちですが、私が展開するATトレーニングでは、基本的には道具は不使用で行います。

 

ジャンプ系は決して行えない環境なので、その場でできる自分の体重、自重トレーニングに限られてしまいます。

 

ですが、私はATという専門家ですから、この時間を活用して、関節、靭帯、筋肉などの人体の構造や仕組みと、「動作」を正しく教育することで、「傷害予防」と「競技力向上」を本気でできると考えています。

 

主な内容としては、「関節可動域の拡大」と「基礎筋力アップ」を目的としています。

 

ここでは、あるメニューを選手に伝えて、繰り返すということはほとんどしません。

 

動く前に自分の特性(骨のつくり、柔軟性、くせ)をチェックし、一緒に動きながら、選手自身に自分の身体の使いやすさ・使いにくさを体感してもらいます。それから、関節可動域であれば、段階的に強度を上げながら最終的にサッカーの動作まで繋げていく工程を共に学んでいきます。

 

基礎筋力アップも同様で、まずチェックをして、現在の自分はどの程度の筋力なのか、一緒にトレーニングに取り組む選手と比べて、なぜ自分ができなくて、周囲ができているのかなど、私はあえて「違い」については各選手に認識させます。

 

すると、「なんで?」「どうして?」という疑問が湧き、その後に本当に伝えたい内容を聞き入れてもらいやすくなるからです。

 

ですが、ここで注意も必要です。単に、人との違いをやみくもに伝えてしまうと、劣等感を感じたり、私との信頼関係を失いかねず、そのことを伝えるまでのプロセスが大事で、相手によって伝え方を変えることも必要です。

 

私が指導するATトレーニングでは、選手に①今の自分の状態確認方法(セルフチェック法)と、②「なぜ?」という疑問の感情、③どんな対策があるか、という大きな3点をプレゼントするという使命感をもって接しています。

 

特に、②の「なぜ?」と思えることは好奇心の現れと捉えており、この好奇心をうまく活用して、自分自身の身体に真剣に向き合ってもらい(セルフチェック)、どうすればより良くなるか(どんな対策があるか)を教育しています。

 

これまでの5年の経験からわかった高校生達の特徴は、

 

 

「人から言われるより、自分の意思で継続して行ったトレーニングの方が、最終的な結果が良い」

 

 

という考えに私は至っています。

 

 

「先ずは、相手に関心を持たせる」

 

 

「すると、選手は自分の時間を有効活用し、勝手に良くなってしまう」

 

 

これが、私の考えるATトレーニングで最も重要な考えです。

 

関心のないものはつまらないのが当然で、継続などできやしません。

 

一方で、トレーニング効果というのは、「継続なしに効果など発生しません」

 

なので、継続できる仕掛けこそ、トレーニング指導においては重要なのだと思います。

 

我々が対象としているのは、仕事として競技にあたるプロではなく、部活動としてスポーツに取り組む学生です。

 

そんな学生達にできる、本当に必要な指導とは、「教える」よりも「引き出す」事なのだと私は強く思います。

 

内なるモノを引き出された選手の顔つき、目の色は本当に見ていて清々しい気持ちになり、相手も私も今後の成長にワクワクしてしまうものです。

 

ですので、私は学生・選手達と接するたびにワクワクしてしまうので、毎日がとても楽しいです。

 

こんな体験ができる高校アスレティックトレーナーという仕事を、もっとたくさんの人に味わってもらいたい。

 

高校アスレティックトレーナー(AT)の普及、なんとか本当に実現させていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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