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執筆者の写真浅野 勝成

ストレッチとジャンプ力

健康スポーツコース2年生に対してプライオメトリクスと題した授業を展開しました。


今回は“実験”を取り入れてみました。

実験テーマは「異なるストレッチが及ぼすジャンプ力への影響」と題し、ダイナミックストレッチとスタティックストレッチの違いが直後のジャンプ力にどんな影響を及ぼすか、生徒全員で調査してみました。以下、実験内容。


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実験デザイン

✔三つの異なるグループに分類する。

DS群(男子9名、女子10名):

ジャンプ力測定⇒ダイナミックストレッチ介入⇒ジャンプ力測定


SS群(男子9名、女子9名):

ジャンプ力測定⇒スタティックストレッチ介入⇒ジャンプ力測定


CON群(男子7名、女子9名):

ジャンプ力測定⇒安静⇒ジャンプ力測定


ジャンプ力測定

✔女子はJust Jump Matを用いて垂直跳びを測定

✔男子は立幅跳びを測定(Jump Matの電池が切れたため急遽立幅跳びに変更)

✔一人あたり3回の試行、3回の中の最大値を取る。

✔個人の最大値をグループで平均化する。


ストレッチ介入内容

DS群:ダイナミックストレッチ5種目(約5分)

SS群:スタティックストレッチ5種目(約5分)

CON群:座位姿勢にて安静(約5分)


統計処理

対応のあるt検定を用いた。有意水準はp<0.05とした。


立幅跳びの結果

✔DS群において介入後の跳躍幅が有意に向上した(p<0.01)

✔介入前後での変化率は、DS群は5.1±4.7%、SS群は0.0±1.7%、CON群は0.6±2.6%


垂直跳びの結果

✔DS群において介入後の跳躍高が有意に向上した(p<0.05)

✔介入前後での変化率は、DS群は2.0±2.6、SS群は0.5±1.5%、CON群は-0.5±1.2%


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ダイナミックストレッチ群の方が跳躍力に良い影響を与えるという結果になりましたが、スタティックストレッチが全くダメという訳ではありません。その人の状態などに応じて行う種目を取捨選択することが大事です。


この結果を通して、生徒たちがウォームアップではどんなことをすれば良いのかを考える一つのきっかけになっていたら良いなと思います。


このような形でスポーツ科学への興味を持てたり、探究心を沸き起こしたりするような授業展開を今後も考えていけたらな~と思います。




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