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  • 白坂 広子

スポーツ傷害予防のために先ず “知ること”

『傷害(ケガ)予防が大事!』


“スポーツ活動中にはケガはつきもの” なんてことを聞きますが、だからこそ傷害予防の必要性って誰もが『知っている』ことだと思います。


ですが、


「皆さん、その『知っていること』を、スポーツ現場で『実践できていますか?』」


と聞くと、


具体的に何をどのくらいすればよいかわからない。


または、それなりに行っているつもりだけど、どんな意味があるのかわからないなんてことも聞きます。


これでは、知っている知識は浅い知識であって、現場に応用が効かない、いわゆる「使えない知識」になってしまいます。


これではその行動が勿体無いんですね。


AT(アスレティックトレーナー)は応急処置やその後のスポーツ活動再開に向けたリコンディショニングを担当することがありますが、これはあくまでもスポーツ傷害「発生後」の話。


スポーツ選手にとって、大好きなその競技活動ができなくなることは辛いことだと思います。


それが数日であったとしても、身体的な痛みだけでなく、精神的にも辛いと感じるのではないでしょうか。


これまで、スポーツ傷害発生後の選手たちに関わることが多かった私には、


選手たちの悲痛な想いをたくさん見て、聞いているので


その都度、


『傷害予防教育が必要だ』


っと強く感じます。


予防教育の“質”を高め、予防概念をスポーツ選手に啓蒙し実践してもらうことがATとしての使命と考えています。


そんな私が今月に担当した、仙台大学付属明成高校スポーツ創志科1年生へのAT授業(体育授業)


タイトルは「スポーツ傷害!」(ATとして最も伝えたい授業!!)


スポーツ傷害とは何か?


スポーツ傷害には具体的にどんなものがあるのか?


スポーツ傷害発生後自分の身にどんなことが起きるのか?


スポーツ傷害がなぜ起こってしまうのか?


スポーツ傷害をどうすれば予防できるか?


などなど。


たくさんの問いとATとしての考えを伝えながら、生徒とともに理解を深めていきます。


そうしていくと、生徒一人一人の身体的な特徴、スポーツ環境、生活環境、興味関心など、考えるほど同じ生徒は一人もいないことに気付かされます。


傷害予防方法、その答えは一つではなく、生徒の数だけ対策方法の答えがあります。


その答えを、自ら見つけ出し、実践していく力が、選手の成長にも必要で、非常に大切な予防実践と言えます。


予防の徹底は、傷害による活動継続の妨げを防ぐことに繋がり、それは結果的に競技力(パフォーマンス)向上への近道なのです。


「傷害予防=競技力向上」は言いすぎかもしれませんが


「傷害予防 ⇒ 競技力向上」とは言えるのではないかと思うんです。


つまり、


”傷害予防なしに競技力向上はない”


ということですね!


そんな傷害予防のために、


先ずは相手をよく知ること。


深く知った上で対策を練り、その実践に必要な課題を発見し、実践に移すこと。


実践の結果を検証し、良きものは継続し、そうでないものは改善していく。


こういったことを毎日毎日繰り返し続けた先に、


スポーツ選手の成長が待っているのかなって思うんです。


傷害予防概念をもっともっとスポーツ現場に浸透させていくべく精進していこうと思います。


そんな私たち自身が忘れてはならないことは、


私たち自身も同様に、対象者である生徒、選手をよく知ることを怠らないようにしたいなぁと思います。


何事も、先ずは相手をよく知ること、知ろうとすることから始めなきゃですね!



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